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2022/09/24

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑨

アリエクスプレスで購入したCTであるKCT-6が10個届いた。
リンクを貼りたいのだが、HEYI社のホームページのKCT-10のリンクが見つからなかった。

日本製の小型CTというと、結構高い。これは安く手に入ったし、サイズ的にも分電盤に収まりそうな気がしている。(後記:この判断は浅はかであった)

早速CTを試してみるべく、CTで電線を挟み、その出力をデジタルマルチメータ(DMM HIOKI 3287)でとらえる回路を作った。シャントレギュレータTL431使用。

結果がこれ。横軸がCTを通過する交流電流、縦軸がDMMでとらえた交流電圧(RMS)である。
CTに接続する抵抗をいろいろ変えて測定した。

注:どこかで書いたかもしれないが、CT(変流器)はオープン接続にすると高電圧が発生しする可能性があり危険。必ず抵抗を接続しなければならない。逆に、変圧器はショート接続禁止。


うーん、このグラフが正解なはずだが、X軸のプロットが少ないためわかりにくい。。
そこで、プロットの仕方を変えた。


これならわかりやすいグラフ。
今回使用したCTでは、Vref2.495Vのシャントレギュレータで20Aまで測りたいなら、線形だとして6.1Aのとき0.75Vであってほしい。すると、CTに接続する抵抗は200~300Ωがよさそうだ。

2022/08/29

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑧

少し毛色が変わり、ラズパイ上で電流値をためこむDBを作ったとき、どのくらいのサイズになるかを検証した。

というわけでラズパイで分電盤センサ用DBの作成。

Mysql -u root -p
CREATE DATABASE log_current CHARACTER SET utf8;
Use log_current
CREATE TABLE current (
    Date datetime NOT NULL,
  Ch0 float, ch1 float, ******, ch11 float);

ラズピコ側でラズパイ側へ12ch分の測定電流を書き込むプログラムを作成し、実行。
ラズパイ側はシリアル通信で受け取り、それをMariaDBに読み込んでいくプログラムを作成し、実行。

60秒のサンプリング周期でどれくらのDBサイズになるか試してみる。

DBのサイズ確認SQL文は下記。

Select table_schema, sum(data_length) from information_schema.tables group by table_schema;

12時間後、720回のサンプリングで81920bytes=82kバイト。1日で160kB。1年で58.4MB。サンプリング周期1分で、十分実用的なサイズだな。サンプリング周期10秒でも、まあまあいける。

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑦

 次は、交流電圧を直流電圧に変換する勉強だな。

交流電流センサ・応用回路1

このサイト。いろいろやり方が乗っている。
これまで考えていた、全波整流+平滑の方式だと、ダイオードで電圧降下がおこり、測定したい電流レンジでは事実上使い物にならなそうだ。

交流電圧のまま、高サンプリングレートで測定して、ソフトウェア上で実効電圧を得るのがよさげに見える。

というわけで、高サンプリングレートで電圧を測定する実験。
MCP3208のCH0とCH2で疑似作動入力。CH2側にカーボンヒーターの電源を入れる。
その他プログラムの条件

  • コンソールへのprint文を使わず
  • ラズパイ上で1シーケンスごとにファイル読み込み→書き出しを行う
  • CTは-005を使用

結果がこれ。

まあ、欲しかった電圧のピーク値1.2Vはとれてそう。
この条件で、0.5msecくらいのサンプリングレートとなった。しかし、ばらつきが多い。
なんらかの処理負荷のせいか、0.8msecくらいのサンプリング周期になっているところもある。

最終的に直流電圧をどう決定するかにもよるが、サンプリングレートのばらつきは少ない方がいい。ラズパイではなくラズピコなら割り込みとかもなくなってもっと高速になるのだろうか。
その他MCP3208の入力条件を変えてみたところ、
  • CH0のみにすると0.3msecくらいのレート
  • CH0+2でシングルエンド入力では0.5msくらいで変わらず
  • CH0+2疑似差動でファイル入出力をシーケンスごとに行わないようにして、0.2~0.3ms台
となった。

これまで分かった情報をまとめると、以下のような分電盤センサになる。
  • ADCのVref=2.5Vとする
  • ADCの4096諧調で測定値が分解されると、1LSBあたり0.61mVで、±2LSBの変動があるとすると、±1.22mVの変動
  • 1CTあたりMAX20Aをとらえるとする(分電盤のブレーカー仕様)
  • CTにより、20Aは1/2000され、10mAになる
  • 10mAでVref2.5Vに到達させるためには、R=250Ωを使用
  • この条件の場合、1LSBは4.88mAを意味する。±2LSBの変動で、±10mAの変動があることになる
  • 10mAなら、積算しても誤差としては十分許せる(気がする)
  • この条件の場合、ADC(MCP3208)は差動入力なので、チップ一つで4CHしか測定できない。家の分電盤の断路器は12系統あるので、MCP3208が3個必要。
現時点で思いつく課題は以下。
  • 回路実装規模もそれなりになりそうだが、ラズパイではSPI通信は2デバイスしかつなげないので、MCP3208が3戸となった場合どう接続するか。
    →GPIO端子を消費すれば、3個程度は分別できそう。
  • 12CHで1サイクル1.5msくらいかかりそう。交流電源50Hzだと1周期20msなので、13サンプルとれるとして、電圧がマイナスの時はとれないので
    半分の6サンプルしか取れない。
    →これがかなり不安。6サンプルで最大電圧を測定できるか。実際に試してみないとわからないかも。ラズパイとラズピコでも結果が変わりそう
  • 実際にどうやってデータとして上げるのか。
    →この課題が出てきた。最終的にはラズピコ→WiFiモジュールで送ることを考えていたが、そんなことをやっていたら(ラズピコにWiFi通信処理をさせていたら)上の課題のサンプリング周期に影響が出そう。これもやってみるしかないか。。ラズピコ→ラズパイ(DBサーバ)へ有線接続というやりかたもありかも。。



ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑥

ADCの精度の実験は一区切りつけ、分電盤センサの次の要素に目を向けてみる。

変流器、カレントトランス、CTと呼ばれるセンサだ。分電盤を流れる電流はそのままでは扱えない大きな電流なので、小さくする役割がある。小さくしたところで抵抗に通せば電圧に代わり、電圧をADCで計測するという流れ。

調べたところ、お手軽なCTは変流比2000:1。
Ali Expressで手に入れた、YHDC社製SCT-013シリーズ。CTはたくさん使うし、その割に単価が高め(電子工作の部品の中では)のため、安い方がよいということでこれにした。
SCT-013

この変流比で60Aを測る場合、2.495Vのシャントレギュレータ出力をVrefに入れたMCP3208で最大値60Aまで測れるようにするには、83.17Ωの抵抗が必要となる。

SCT-013は、ご丁寧に?ケーブルの先がステレオミニプラグになっている。ということは、それを受けるジャックが必要だ。秋月電子にステレオミニジャックのDIP化キットが売っていたので購入。

DIP化キットの基板の穴すべてにピンをはんだ付けしたら、ブレッドボード上では干渉して逆に使いづらくなってしまった。。

さて、このCTをお試ししてみるために、2芯の電源延長コードをカッターで二つに割いて、1芯ごとに分割した。割くときに失敗して金属の芯線が見えてしまった。ここには100Vがかかるので、要注意。絶縁テープでグルグル巻きにした。メガネコードのような切りやすいタイプにすればよかった。。

さて、この特製コードにマルチテスタのクランプを挟んだり、購入したCTをかませたりして、いろいろ測定してみる。

ちなみにCTは2種類購入している。YHDC SCT013-100とSCT013-005だ。恐らく、抵抗がビルトインされているバージョンとそうでないバージョンと思われる。


-100は抵抗の種類を変え、両端の交流電圧を測定。
-005は抵抗を入れず、ステレオミニプラグの交流電圧を測定。

結果は以下。

●HIOKIの結果が交流0.28Aのとき

HIOKI-005-100
AC0.28A0.06V0.268V@抵抗なし
AC0.28A0.051V@0.33kΩ
AC0.28A0.122V@1kΩ
AC0.28A0.184V@2kΩ
AC0.28A0.214V@3kΩ
AC0.28A0.234V@4.55kΩ
AC0.28A0.251V@9.57kΩ
AC6.04A1.20V3.84V@1.749kΩ
AC6.04A5.08V@3.21kΩ
AC6.04A5.53V@4.55kΩ
AC6.04A5.93V@9.57kΩ

抵抗を増やすほど電圧があがる。。。想定外。これはもしや、自分の学生時代意味不明だった電流源というやつか・・?

(追記)CTは電流源として振舞うようだ。そして、オープンにすると高電圧がかかって危ないので、オープンにしてはいけないらしい。逆に変圧器は電圧源として振舞い、ショートにしてはいけないらしい。同じようなものに見えるのに・・よくわからん

まあ、基礎データは取れた。ぱっと見で-005の方が抵抗が内蔵されており、初心者向けのように見える。が、抵抗で自在に調整できる-100の方がスタンダードなのだろう。

(追記)やはり-100は電流源扱いのようだ。

交流電流
22Ω(18.5Ω)0.044V6.03A
100Ω0.182V0.301V
150Ω(145.8Ω)0.261V0.432V
270Ω(261.7Ω)0.464V0.770V
CTが流れた電流を1/2000するとして、V=RIに当てはめるとよく数値があう。
ということは、-100を使った場合、
  • 2.495VのTL431をVrefとして使用
  • ブレーカーの20Aまで検知→CTには0.01A流れる
  • 249.5Ωが正解
ということになる。また、有効数字を増やしたければ、抵抗は1個ずつテスタで測った方がよさそうだ。

-005の方は結果をいじるには分圧が必要だが、そうすると抵抗の実装面積が増えるので、低電流が期待されるところに使おう。

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑤

 別のサイトでこんな記事を見つけた。

ラズパイでアナログ電圧を扱う (7) MCP3208のプログラム③

Raspberry Pi 4にてMCP3208を使用して測距センサーの値を得る

アナロググラウンドとデジタルグラウンドをショートさせる策は既にやっているので、Vddの入力側に0.1μFのコンデンサを入れるのと、ADCの疑似差動入力を試してみる。

ふむふむ。

さらに、測定対象を単3乾電池にしてやってみた。これは化学反応による電圧なので、ノイズがほぼないらしい。



疑似差動のほうが精度が悪いように見えるが、これは集計上の誤差と思われる。(0点を出すときにINT関数で桁落ちさせているため)
+2とかの差では、わずかに疑似差動がまさっている。しかし、シングルエンドも十分使える性能だな。シングルエンド入力は、ADCのピンが倍使えるので、メリットは十分にあるな。

同じく単3乾電池使用で、Vrefとしてシャントレギュレータではなくラズパイから出力される3.3V電源を使ってみた場合がこれ。


ここから学んだのは次の点。
  • ラズパイから出力される3.3V電圧は結構変動する ロングテール。Vrefとして使わないほうが良い。
  • 乾電池の電圧安定性は高い。但し、長期間の電圧低下・内部抵抗変化はどうなるか分からないので要注意。
  • ADCの疑似差動入力が効果を出すようなコモンモードノイズは、今回組んだ回路ではもともと少ない(今回1分程度の計測ではあるが)
ということなので、シングルエンド入力を使うことに決めた。

それにしてもこの一連の実験はなかなか勉強になった。分電盤アプリとは関係ないが今後も実験してみたい。他にも気になることもある。
  • MCP3208のDoutから出ているデジタル出力電圧は実際何Vなのか?
  • Doutを何Vまで下げると、ラズパイSPI入力はデジタル信号を読めなくなるのか?

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成④

ADCの測定精度を上げる。

まずはシャントレギュレータTL431とパスコンを使ってみる。定番らしい。
MCP3208のデータシートにも書いてある。

ラズパイでアナログ電圧を扱う (3) 使用するパーツ

現場で役立つ パスコンの容量値選定方法

パスコンの容量選びは難しそうだな。

面倒な計算や理解をするほど意識は高くないので、パスコンは0.1μF~10μFを試してみる。

→どうも、シャントレギュレータにパスコンはつけないほうが良いようだ。付けてもよいが、きちんと容量計算をしないと、発振?してしまうらしい。上のパスコンも3端子レギュレータに対して計算をしている。

シャントレギュレータの大元の抵抗rはどうするかだが、いろいろ調べてみて下記の計算か。

電圧リファレンスを使用した 設計のヒントとコツ

MCP3208のVrefに流れる電流は、データシート上2行書いてあってどちらを採用してよいかわからなかったが、Iref_min=0.001uA, Iref_max=150uAとした。Vddは4.5~5.5Vの範囲とした。グラウンド側に流れる電流はどうしたらよいか書いていなかった(読み取れなかった)ので、1mAとした。すると、Rは1.74kΩ~3kΩとなる。
→別のTL431データシートをみると、カソード電流1~100mAとあった。この範囲に入るように外部抵抗を調整する。

もともとブレッドボードに刺してあった抵抗4.7kΩでやってみた。それっぽく動いている。まずはこれで統計を取ってみよう。負荷に変動がなければ抵抗の範囲に収まっていなくてもいいのかもしれない。


シャントレギュレータ効果は表れたようだ。明らかに分散が減った。相変わらず最大値や最小値は結構幅があって、これの発生理由がよくわからない。本当にこのくらい電圧が変動しているのだろうか。シャントレギュレータにパスコンは要注意であるが、入り口と出口側にコンデンサをつけてみるか。

これが結果。1秒間隔で10分プロットしたので、サンプル数は少ないが、0.1μFはあまりよくないように見える。そして、パスコンを入れても入れなくても結果が変わらないようにも見える。
次は、抵抗4.7kΩを、当初予定の抵抗に変えて実験してみる。

外部抵抗2kΩでも問題なさそう。このとき外部抵抗に1.2mA流れてた。概ね設計内か。ちなみにデジタルマルチメータでははかれず、アナログ電流計を使用。
外部抵抗を0.968kΩにすると2.5mA。こちらの方が安パイだな。









ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成③

 分電盤センサ作りに何が必要なのか、まだ全体像が見えていないない中、思いついたところから実験してみる。ADコンバータで計測する場合の測定値のばらつきについて実験。

ラズパイの3.3V出力をADコンバータ(ADC)MCP3208で測定した。MCP3208のVrefにはラズパイの5V出力を入力した。


 グラフ横軸は測定結果の平均値を0として、そこからの差分を示している。MCP3208の分解能は12bitなので4096段階の回答が返ってくる中で、平均値に対して-20から+64までぶれる結果となった。その差84というのは二進数にすると1010110、つまり7ビット分である。これがよくある測定結果なのか、何か問題があるのか分からないが、12ビットADCコンバータが実質5ビットの分解能だとすると少し寂しい。ADCの精度を高めるため、ネットで調べた対策を打ってみることとする。(ちなみに-12から+12で全データの95%をこえている。これだと5ビット落ち。)

 上記の結果は2万サンプル以上とったうち、冒頭の5300サンプル程度の結果である。なぜそうしたかというと、当初、全ての測定結果をプロットしたところ、平均値のトレンドが時間変化しているように見られたからだ。なぜ時間変化したのか?ラズパイ内のDDコンバータに温湿度依存特性がある(長く実行して温度が上がり、特性が変わった)のかもしれないし、その前段、家からの供給電源に変動があるのかもしれないし、誤差要因の積み重ねはやればやるほど難しい。

 とりあえず、今回は明らかに怪しい電子回路内のノイズ等に起因する誤差を減らす工夫をしてみることにする。これにより、この後の分電盤センサでも実測値とのかけ離れを減らすことが期待できるはずである。
 仮に、ADC7ビット精度で電流センサを作ったとすると、最大60A・127段階として、1段階で0.47Aとなる。もう少し細かく把握したいところ。実際は最大60Aとはしないだろうけども。



ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成(14)

回路の実装図作成に取り掛かろうと思ったが、ここで一つ寄り道。 ADCへの入力前に交流電圧に対して直流バイアスをかける手段として、オペアンプを使う方法が出てきた。 アナデジ太郎の回路設計 というか、バイアスをかけたい場合、この方法の方がメジャー・・? と思ったのだが、オペアンプは以...