ADCの精度の実験は一区切りつけ、分電盤センサの次の要素に目を向けてみる。
変流器、カレントトランス、CTと呼ばれるセンサだ。分電盤を流れる電流はそのままでは扱えない大きな電流なので、小さくする役割がある。小さくしたところで抵抗に通せば電圧に代わり、電圧をADCで計測するという流れ。
調べたところ、お手軽なCTは変流比2000:1。
Ali Expressで手に入れた、YHDC社製SCT-013シリーズ。CTはたくさん使うし、その割に単価が高め(電子工作の部品の中では)のため、安い方がよいということでこれにした。
SCT-013
この変流比で60Aを測る場合、2.495Vのシャントレギュレータ出力をVrefに入れたMCP3208で最大値60Aまで測れるようにするには、83.17Ωの抵抗が必要となる。
SCT-013は、ご丁寧に?ケーブルの先がステレオミニプラグになっている。ということは、それを受けるジャックが必要だ。秋月電子にステレオミニジャックのDIP化キットが売っていたので購入。
DIP化キットの基板の穴すべてにピンをはんだ付けしたら、ブレッドボード上では干渉して逆に使いづらくなってしまった。。
さて、このCTをお試ししてみるために、2芯の電源延長コードをカッターで二つに割いて、1芯ごとに分割した。割くときに失敗して金属の芯線が見えてしまった。ここには100Vがかかるので、要注意。絶縁テープでグルグル巻きにした。メガネコードのような切りやすいタイプにすればよかった。。
さて、この特製コードにマルチテスタのクランプを挟んだり、購入したCTをかませたりして、いろいろ測定してみる。
ちなみにCTは2種類購入している。YHDC SCT013-100とSCT013-005だ。恐らく、抵抗がビルトインされているバージョンとそうでないバージョンと思われる。
-100は抵抗の種類を変え、両端の交流電圧を測定。
-005は抵抗を入れず、ステレオミニプラグの交流電圧を測定。
結果は以下。
●HIOKIの結果が交流0.28Aのとき
| HIOKI | -005 | -100 |
| AC0.28A | 0.06V | 0.268V@抵抗なし |
| AC0.28A | | 0.051V@0.33kΩ |
| AC0.28A | | 0.122V@1kΩ |
| AC0.28A | | 0.184V@2kΩ |
| AC0.28A | | 0.214V@3kΩ |
| AC0.28A | | 0.234V@4.55kΩ |
| AC0.28A | | 0.251V@9.57kΩ |
| AC6.04A | 1.20V | 3.84V@1.749kΩ |
| AC6.04A | | 5.08V@3.21kΩ |
| AC6.04A | | 5.53V@4.55kΩ |
| AC6.04A | | 5.93V@9.57kΩ |
抵抗を増やすほど電圧があがる。。。想定外。これはもしや、自分の学生時代意味不明だった電流源というやつか・・?
(追記)CTは電流源として振舞うようだ。そして、オープンにすると高電圧がかかって危ないので、オープンにしてはいけないらしい。逆に変圧器は電圧源として振舞い、ショートにしてはいけないらしい。同じようなものに見えるのに・・よくわからん
まあ、基礎データは取れた。ぱっと見で-005の方が抵抗が内蔵されており、初心者向けのように見える。が、抵抗で自在に調整できる-100の方がスタンダードなのだろう。
(追記)やはり-100は電流源扱いのようだ。
| 交流電流 | |
| 22Ω(18.5Ω) | 0.044V | 6.03A |
| 100Ω | 0.182V | 0.301V |
| 150Ω(145.8Ω) | 0.261V | 0.432V |
| 270Ω(261.7Ω) | 0.464V | 0.770V |
CTが流れた電流を1/2000するとして、V=RIに当てはめるとよく数値があう。
ということは、-100を使った場合、
- 2.495VのTL431をVrefとして使用
- ブレーカーの20Aまで検知→CTには0.01A流れる
- 249.5Ωが正解
ということになる。また、有効数字を増やしたければ、抵抗は1個ずつテスタで測った方がよさそうだ。
-005の方は結果をいじるには分圧が必要だが、そうすると抵抗の実装面積が増えるので、低電流が期待されるところに使おう。