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2022/09/25

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成⑩

では、肝心のADCの値との比較テスト。

ラズピコのADCによる測定プログラムを作成。測定対象を1chのみにして、まずは波の概形をとらえられるようにスリープ時間を入れない高頻度計測をする。もし十分なサンプリング間隔の短さであれば、頻度を落としても実効電圧をそれなりの精度で出せるようにしたい。

そして、やってみたところ、ADC出力3.73Aに対してDMM指示値2.68A、6.1Aに対して7.31Aと、非線形な応答を見せた。なぜだろう?

KCT-6のメーカーサイト(後記:今はないが)にある「Load resistance」のとおりCT接続50Ωも試したが、6.1Aの方で乖離が大きかった。メーカーサイトによると、少ない電流の方が誤差が大きいように見えるが。

いずれにせよ、大電流領域で誤差が大きいのは、今回分電盤センサの目的からいってよろしくない。対策は何だろうか・・もっと電流の種類を増やして、プロットの傾向をつかんでみよう。

CHを一つだけにして高頻度で測ってみる。CT接続の抵抗は50Ω。DMMの指示電圧は0.141V。ここで思い出したのだが、DMMの値は真の実効値(RMS)を示しているとのこと。

ADCで測ったのは瞬間値なので、一致しないのは当たり前であった。

真でなくとも、正弦波と仮定すれば、最大電圧を√2で割れば実効値になるはず。すると、0.139Vとなり、なかなかよいということになる。

カービンヒーター600W設定の計測結果。


いいね。マイナスの電圧はとれていないものの、正弦波がグラフとして出てくると、やっている感、できている感がある。

次に300Wの時。


なんだこりゃ???
最大値の部分が崩れているのがわかる。
つまり、大電流の域が乖離していたのではなく、小電流(というほどでもないが)の域が乖離していたことになる。
次は、なんでこんな波形になるかを考察せねば。。

カービンヒーターではなくはんだごてをつなぎ、DMM指示電圧0.011Vという小さい場合で試してみる。


あれ、また一見正しそうな波形になった。計算した実効値は0.00815V。うーん、まあさすがに値が小さすぎて誤差の範囲だろうか。

次にDMM指示電圧0.077Vの場合。(カーボンヒータ300W+はんだごて25W)

波形の乱れはちょっと解消?

他にも電熱系の家電をいろいろ測ってみたが、300W近辺だから崩れるというわけではなさそうだ。
そこで一つの考えが浮かんだ。カーボンヒーターは300Wの時はもともとそういう崩れた波形なのではないかと。
もとの電流がそのように変動しているのではないかと。
もしそうだとすると、これは、オシロスコープでないと調べられない。(そしてオシロスコープを持っていない)

次に、CTの異常を考えて、ほかのCT(KCT-6と一緒に買ったKCT-10)で試してみた。


正しい波形に見える。。?

次にADCの入力をch6とch7を入れ替えてみても波形の歪みは変わらず。
ということは、KCT-6とカーボンヒータ300Wの組み合わせでしか出ない現象ということなのか・・?

次にKCT-6の別個体を使ってch6とch7で計測したところ、別個体でも歪み発生。うーん。。
これ以上は悩んでも分からない。やはりオシロスコープで元の波形を直接観測したいかも。

ちなみに同じタイミングで購入していた日本製URD製のCT(CTL-6-S32-8F-CL)でも正常波形(のようなもの)を測定。

KCT-6に戻ってきて、CT接続抵抗を10Ωに変えても波形は変わらず歪む。(値の精度は下がる)
では接続抵抗1MΩではどうだ?


んー波形は変わったが、なんかこれはこれでおかしい波形。。600Wにしてもこの傾向は変わらず。

ちなみにURDのサイトには下記にようなありがたい特性資料がある。



抵抗が大きいと特性が悪くなるようなので、もともと1MΩは参考にしてはいけないということか。

次に試しにCTの±を逆に接続したら、あれ?治った?


しかしよく見ると電圧の最大値がおかしい。DMMの実効値の2倍以上を指している。波形は正常に見えるが、まだ直っていない。ブレッドボード上の接触状況が変わったのだろうか?
→CTの配線をまた逆にしてみたら波形の歪みが再現。これは原因究明の大きなカギになるのではないだろうか。

最終的にはオシロスコープを買おうと思っているのだが、その前に試してみたいこと。
交流信号に直流電圧のバイアスをかける方法を見つけた。
回路図をみると、なるほど~という感想。
コンデンサの容量は特に計算せず、手持ちのもの(容量不明)を入れて試してみた。
直流のバイアス電圧として、MCP3208のVrefを1/3に分圧したものを使用。


そして、結果がこれ。


なんか久々に達成した感がすごい。
これで交流電圧の全体像が見れるようになった!
極性を変えて計測しなくてもいいわけだ。

このグラフから3つのことがわかる。

  • 波形のゆがみは一方向のみ
  • 600Wの方が周期が遅れていくように見える
    →ADCが電圧を比較していく順序によるのだろうか?つまり電圧が大きいとVrefと一致するのが遅くなる?
    →振幅が大きいのだから、この説明では不足しているな
  • 交流電圧の直接測定は、バイアスかけた方が倍のサンプルがとれる

まあ、波形の歪みの謎はつかめないままなのだが、大分前進した感がある。

ラズパイとラズピコで分電盤センサを作成(14)

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